白内障の手術適応と手術方法
Q:いつ白内障手術をすれば良いのでしょうか?
白内障が進行すると、かすんだり(視力低下)、まぶしくなったり(羞明:しゅうめい)、物がだぶって見えたり(複視)します。視力がいくつ以上悪くなったら手術を行うなどの基準はありません。目を使う仕事をされている方は、少しの白内障でも仕事や生活に支障をきたすこともあります。例えば、車を運転するときにセンターラインが2重に見える、方向を示す矢印が見えにくくなるなど日常生活に不便を感じたときは、白内障手術によって見え方が改善する可能性があります。まずは眼科医に相談してみましょう。
Q:白内障手術はどのように行うのですか?
白内障は水晶体が濁ることによって生じます。濁るのは水晶体の中の部分です。水晶体周囲の薄透明のセロファン状の皮(水晶体嚢)は濁らないので、この透明な皮を残して、水晶体の前側の部分に約5mmの穴をあけ、内部の濁っている水晶体を特殊な機械(超音波乳化吸引器)で破砕し、吸引します。すると水晶体の混濁はなくなるのですが、水晶体の代わりのレンズが必要となるので、人工水晶体を水晶体嚢の中に挿入します。現在はさまざまな技術が進歩し、2~3mmの小さい傷から白内障手術が行えるようになっています。近年では、乱視量を減らしたり、眼鏡のように1か所でなく数か所焦点があう人工水晶体(多焦点眼内レンズ)もありますので、眼科医に相談して下さい。
局所麻酔を行なった後に切開創を作成します。その後に水晶体嚢前面に5-6mmの丸い孔をあけます。
水晶体嚢を残し、中の混濁している水晶体(白内障)のみを超音波乳化吸引器で破砕吸引します。
混濁した水晶体(白内障)がなくなるとレンズがなくなりピントが合わなくなってしまうので、代わりの人工水晶体を入れます。
白内障手術前と手術後の比較
白内障手術によって混濁した水晶体(白内障)がきれいになるので、良く見えるようになります。ただし、緑内障や網膜の病気がある時は視力が改善しないこともあります。患者さんの目の状態によって異なりますので、詳しくは眼科医に相談して下さい。 |