日本白内障学会の沿革
昭和39年に第18回臨床眼科学会が開催された折、世話人12名のもと、臨床眼科学会の分科であるグループディスカッション(G.D.)のひとつとして開催された第1回白内障 G.D. が、日本白内障学会のさきがけです。当初は白内障手術に関することの演題発表でした。回を重ねるうちに白内障薬物療法の発表や、白内障水晶体の生化学、組織学などの基礎研究についての発表が加わってきました。そして第17回となった昭和53年に、臨床眼科学会 G.D. から独立した会となり、名称が白内障研究会に変わり、1日だった会期も2日に延長されました。発表演題も、現在白内障手術の主流となっている超音波白内障手術や眼内レンズの話題が加わり、白内障基礎研究者は臨床研究を知り、白内障臨床研究者は基礎研究を知るといったように、白内障という疾患に関する豊富な知識を得ることができる会になりました。
昭和59年の第23回からは、会の名称が現在の日本白内障学会となり、参加者は約400名、一般演題45題、特別講演、シンポジウムと、充実した会となりました。 昭和61年からは眼内レンズ学会(現、日本白内障屈折矯正手術学会)が設立されたため、眼内レンズや手術法のほとんどは眼内レンズ学会で発表されることになり、白内障学会は、水晶体や白内障に関する生化学、組織学、遺伝学、分子生物学などの基礎的研究発表、白内障の発症原因や予防などの臨床研究発表が中心となりました。 平成元年からは学術奨励賞を設け、立派な白内障研究を行っている若手研究者を選び、授与しています。 平成14年には、継続した学会活動が評価されて日本学術会議から学術研究団体として登録されました。 また海外との連携では、昭和56年にUS-JAPAN Cooperative Cataract Research Groupをスタートさせました。平成8年には日本白内障学会の主要メンバーの後押しで、Asian Cataract Research Conferenceを発足させ、 隔年に開催していました。前記の2つの学会は現在International Conference on the lensに発展解消されており、本学会も深くかかわっています。 文章 長田 正夫
歴代理事長
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