理事長よりご挨拶
日本白内障学会は、昭和39年に発足した歴史ある学会です。白内障・水晶体(目の中のレンズが水晶体で、それが混濁した状態を白内障といいます)に関係する医療と学問が発展することを目的としています。そのためには、研究室で日夜動物や細胞などと格闘している基礎研究者と実際に白内障に苦しむ患者に直接に向き合う臨床医師とがそれぞれの視点で問題点を持ち寄り、情報交換を行ことが重要です。本学会では、そのような場を提供すべく、基礎研究者・臨床医師の集まりとなっています。
白内障は、最近では手術治療が進歩し多くの問題が解決したかのように受け止められている場合があります。確かに、手術合併症は、かなり少なくなり術後により良い視機能を獲得することが可能になってきています。しかしながら、白内障術後の視機能は、若く混濁していなかった時の自分の水晶体を通して得られた見え方にはまだまだ追いついていないのが現状です。老眼も水晶体の加齢性変化で生じてきます。少しでも若かりしころの水晶体の機能・透明性を維持できるようになれば、多くの人の生活レベルを向上・維持できると思います。また、世界全体では白内障はいまだに失明原因の第1位で、多くの患者が白内障に苦しめられています。 この半世紀以上にわたる多くの先人の苦労によって、水晶体・白内障研究も少しずつではありますが、確実に進歩してまいりました。この流れを継承し、さらに水晶体の透明性のみならず、レンズとしての機能も維持できるように基礎・臨床が一体となりさ研究を発展させその成果を社会に還元することが我々の使命です。 本ホームページでは、会員の皆様ばかりでなく、水晶体・白内障研究に興味のある方、一般の患者様にも情報提供ができればと思います。 どうかご支援のほどよろしくお願いいたします。 日本白内障学会 理事長 黒坂 大次郎 |